4月13日・やっぱり星野先生は怖かった日

     野球部に入部して、5日経った。
     改めて思った事は、『星野先生は、相変わらず怖い!』って事。
     練習中は、声を出さなくちゃ怒られるし、少しでも気を抜いた態度でも
     取ったら、たとえ遠くの方にいても見つかって、その次に
     全速力で走ってくる。で、怖いからこっちも逃げる
     当然、グランドで追いかけっこが始まるんだ。

     あっちゃんと秀太くん、もう何度追いかけられただろう。
     僕みたいに素直に「ごめんなさい」って、言えば
     すぐ許してくれるのに。
     でも、あっちゃんに言わせれば
     「憲くんは、ほんまにごめんって思ってないのに謝るから、ずっこいわ
     そんなんしてるから、《偽善者》って言われるんや」

     偽善者!?だれがそんなん言うてるんやろ!
     そりゃあ、先生とかの前では良い子にしなくちゃって思ってるけど
     それを《偽善者》って、言われたら腹立つなあ〜
     《世渡り上手》って、言って欲しいよ。

     あっそうそう、守備が決まったんだ!
     あっちゃんは、ショート。あれで意外と、アガリ症なんだって。
     だから星野先生は、それを鍛える為に1番目立つポジションを与えたらしい。
     秀太くんは、足も速いしグローブさばきが巧いから
     特に決めずに、みんなのフォローをする役割だって。
     それってもしかして・・・補欠って意味じゃ?
     「秀太くん、どこでも守れるってすごいやん!」

     って、あっちゃんに言われて、本人は得意そうな顔してたけど
     分かってるんかな?
     でも、こっそり星野先生に聞いたんだって!
     「僕が、練習試合で5割を打ったら、レギュラーにしてくれますか?」
     って・・・でも星野先生
     「2打数1安打か?」って、笑ってたって。秀太くん、がっくしだね。

     僕はやっぱり、センターに決まった。
     足が速いのが1番の理由らしい。
     レフト、ライト、セカンドベース、いっぱいカバーに走らなくちゃ!
     でも、レフトはあの金本さん・・
     「ええか、レフトのボールも取れよ」なんて事言われた。
     どこまで走らなあかんねん!

     早速、来週「ライブ小学校」との練習試合があるらしい。
     僕は今から緊張しているのに、あっちゃんと秀太くんは
     「緊張」の「き」の字も無いのかな?
     また、星野先生に怒られてた。
     「せいざーーーーー!!」って、怒鳴り声が聞こえたかと思うと
     グランドの真ん中で2人は正座していた。

     「何やってたん?」
     「星野先生が持ってきた栄養ドリンクを、秀太くんが
     勝手に飲んで『まず――』って言った時に、星野先生に見つかったんや」
     秀太くん、しょんぼりしている。

     「あほやなあ〜あの栄養ドリンク星野先生のお気に入りやで
     でも、前に飲んだ時は美味しかったけどな」
     「前に・・って憲くんも飲んだん?」
     秀太くんが、目を丸くして聞いてきた。

     「えっ?星野先生が居眠りしている時に、ちょびっとだけ」
     と、笑顔で答えた。
     「ほんまやな・・・・?」
     えっ?えっ?えっ?
     そぉ〜っと振り返ると、星野先生・・・
     「アカボシも正座じゃ!!!」

     グランドの真ん中に3人で正座させられて、風が凄く冷たかったよ。
     今日は、早く寝る事にしよーっと!

                        PM20時    
      
     
    

      



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