阪神学校・4年3組・赤星くん


ここは、阪神学校に通う赤星憲広くんの様々な日常を
憲くんがアップしてくれるページです。
小学4年生の憲くんは、毎日どんな様子なんでしょうね。
憲くんに聞いてみたい事があれば、
「掲示板」に書くと
憲くんが答えてくれるかもしれません・・・・


4月7日・金本さんにおどかされた日

     今日は、始業式だった。
     1番気になるのが、クラス替えなんだけど
     仲良しのあっちゃんと秀太くんと同じクラスだった!
     バンザー――イ!
     後は、浜中おさむくんって人の名前もあった。
     今は、病気で長期欠席らしい。
     女子は、知っている顔もチラホラいた。
     女子には別に興味無いって言ったら、嘘になるけど
     あんまり話さない方だ。
     向こうも僕には、話し掛けてこないけど
     たまに、体育の時間はすっごく視線を感じる時がある。
     まあ・・いいけど・・・
      
     担任の先生は、岡田先生といって、男の先生だった。
     なんか、話を聞いていても 「あの〜」とか「まあ〜」とかが多いので
     内容が良く分からなかった。
     怖くも無く優しくも無く・・って感じかな?
      
     あっ校長先生も新しい先生だった。
     佐藤校長先生、メガネをかけていてとても優しそうな目をしていた。
 
     掃除の時間、あっちゃんが
     「憲くん、担任の先生どう思った?」って、言ってきた。
     「えー?べつにぃー!」
     「なんか暗くない?全然笑えへんしなーー!あれやったら
     3年の時の担任の星野先生の方が、いいよーー!」
      
     「でもあっちゃん、星野先生にはよく怒られてたやん!」  
     「でも、おもろかったからなあ〜」

     あっちゃんは、大きな目をキョロキョロさせて周りを見ているので
     可笑しくなって、聞いてみた。

     「どうしたん?」
     「あっあっ・・ごめん、金本がどこかにおるような気したから」
     「大丈夫やろ?みんな掃除の時間やから、ここまで来ないやろ」
     
     金本っていうのは、5年生の先輩で
     身体も大きいし、力もあるし周りから「アニキ」って呼ばれて
     番長的な存在。
     実はあっちゃん、この金本さんに目をつけられて
     子分みたいにさせられている。
     
     「可愛がってるんやー」って、金本さんは言っているけど、ほんとかなあ?
     でも、あっちゃんも負けてない。
     廊下で金本さんの姿を見たときは、そっと近寄って後ろからケリ入れてるし。
     見てたら、じゃれ合ってるなあ〜って、思う。
     最近、金本さん。僕の情報を集めているって
     噂で聞いたから、そろそろ僕も子分にさせられる日も近いのかな?
     
     僕の言葉で、少し安心したのかあっちゃんは、ふぅ〜っと溜息をついた。
     「あっちゃん、今日遊べる?」
     「うんうん!あそぼっ!誘いに行くわ!」
     と、約束した時、あっちゃんの後ろの方から、大きな声がした。

     「おおーーーい!もっさーーーん!」
     
     あっちゃんの背後から見えたのが
     今話していた金本さん・・・そしてこれも5年の
     下柳さんと交換留学生として来たジョージ・アリアスだった。

     あっちゃんは、金本さんの姿を見つけると素早く僕の後ろに隠れた。
     僕の前に金本さんが立った。
     (負けた・・・)だって、僕の目線は、金本さんの胸の辺りだったからだ。
     
     「お前らに話があるんじゃよ〜」
         (言葉使いがまるでおっさんやん!)僕は、密かに思った。
     「クラブなあー野球部に入るんじゃ」

     思ってみない言葉に、僕とあっちゃんはお互いの顔を見合わせた。
     「やきゅうぶぅーーー!?」
     この阪神学校は、4年生からクラブ活動が出来る事になっている。

     あっちゃんの驚いた声に金本さんの目は、ギロッと光った。
     「そうじゃ〜もう決まりやからな」
     「そんなあ〜〜!僕は、卓球部に入ろうかと思ってたのに・・・」
     「おお〜もっさん!そんなちまちましたもん、入らんでええ!
      男は黙って野球部じゃ!勝負せえ!
     オイッ!赤星言うたのぉ?お前はどうなん?」

     「えっ?僕は、走るのが好きなんで陸上部に入ろうかと思ってたけど」
     「そうやんなあ〜赤星は走るのが得意って聞いたわ。そやから
      お前も野球部に入れたる!」
     「入れたる・・って・・」

     僕とあっちゃんがなかなかはっきりした返事をしないので
     今まで黙っていた、下柳さんが重い口を開いた。

     「野球部に入ったら、特典があるんや」
     「???」
     「俺んちの犬、触らしたる!」
     「そんなん、いらんわ」あっちゃんの爆弾発言で、下柳さんが吠えた!
     「なにぅおおおおおーーー!」
     「すんまそん・・・」
     迫力負けのあっちゃんだった。あほやなあ〜〜

     「そんじゃ、明日から放課後練習やから、頼むで、チビッコ2人!」
     そう言って3人は、その場所から出て行こうとしていた・・・が
     突然、アリアス君が長い睫をバサッバサッさせて言った。

     「はんし〜んやきゅうぶは〜イチバンやあ〜〜」

     「なんなん?あれ?」
     「さあ〜〜?でも憲くん!どうするん?」
     「金本さん、おっきいなあ〜」
     「憲くんって、なんかクールなとこあるな、僕なんかもう怖くて怖くて・・」
     「あっちゃん、卓球部に入るつもりやったんや」
     「えっ?卓球部って面白そうやん」 
     「もっさんって呼ばれてるんや」
     「憲くん、僕の話聞いてる?」
     「掃除、早く終わらそ」
     「あかんわこれは・・」

     一番動揺していたのは、僕だった・・・

     そんな訳で、僕とあっちゃんは、無理やり野球部に入部させられてしまった。
     野球なんて、草野球程度しかした事が無い。
     不安だらけなことばかり・・金本さん、下柳さん、アリアスくん
     他にどんな人がいるんだろう?
     えっと・・野球部の顧問はどの先生だったかな?
     と・・色んな事を話しながら、僕とあっちゃんは
     自転車で近くのスポーツショップに、グローブを買いに行った。 
                     
                            PM・22時            
                                     
 
     
                                        
                      

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