「レッドのおんがえし」


きっかけ
公式戦も終わりに近づいた頃
赤星選手は、こう言われました。
「昨年、盗塁王を取れたのは金本さんのお陰です
だから、今年は金本さんに打点王を
取って貰いたいです。おんがえししたい」
こんなお言葉で、この物語を考え付きました。
クレーム・突っ込み無用でお願いします。
そして、当然フィクションです。



「おっしゃー!やるぞー」
レッドは決意した・・

阪神公式戦が雨で中止になり、一軍選手達は室内練習場で
各自練習に汗を流していた。                   
金本選手は、バッティングゲージでティーを打っている。   
チラチラとその様子を伺うレッドの態度に            
金本選手は、すでに気がついていたが、ティーに集中する為
あえて、無視する事にした。                    

休憩時間に、桧山選手が金本選手に声をかけた        
「金本さん、気がついてました?赤星・・」              
「あぁ?わかっとったよ、あいつワシの方ばかり見とったな」   
「練習熱心な赤星が、珍しいですね」                
 「気になりよるけん、何じゃ一体・・」            

一日の練習が終わり、選手達はそれぞれ引き上げていった。    
  ロッカールームに入り、自分のロッカーを開けた金本選手は驚いた。

「なんじゃこれっ!?」                           
予備のスパイクはきちんと磨きあげられ               
アンダーは、丁重に畳まれている。                  
いつもの金本選手のロッカーでは無い。               
思わず、ロッカーの番号を見直した位だ。              
「ホンマにワシのロッカーや・・・」                    
金本選手は、首を傾げ尚且つ、気持ち悪ささえも覚えた。     

翌日、試合前の阪神甲子園球場。
  外野の芝生の上で藤本選手、秀太選手、関本選手、そして赤星選手
   が、一枚のタオルの四隅を使い、自分のグローブを磨いている。   
  若手選手恒例の儀式だ。                          

  磨きながら談笑していると、藤本選手がある事に気がついた。     
  「あれっ?赤星さん、そのグローブ誰の?」            

   藤本選手に言われて、ハッともう1つのグローブを背後に隠した。   
   チラッと見た秀太選手が、不思議そうに言った。             
     「金本さんのじゃない?」                             

    一同「ええーーーー!?」                            
   周りの驚きさえも動じず、レッドは金本選手のグローブを磨き始めた。
                                                          「もしかして、金本さん
に磨いとけっ!って言われたとか?」と、関本選手。
「いや、守備前のキャッチボールで、いつも変なとこに投げるお詫び?」
これは、藤本選手。                           
秀太選手は「金本さんの事、ケチケチってあっちこっちで言うから、脅かされたんでしょ」
と、半分冗談にならない事を言っている。

そんな皆の言葉も耳に入らない様子で、レッドは無心だった。

公式試合が始まる前にいつも選手、コーチ達は円陣を組んで、気合の声だしをする。
今日の担当は、レッドだった。

「皆さん、残り試合も少なくなって来ましたので、
金本さんの打点をもっと増やしていけるように、頑張りましょう!」

平田ヘッドがそれを聞いて言った。
「おいおい、自分の事はいいのか?盗塁王だぞ?」
「もちろん僕も全力を尽くします。それと金本さんにも是非打点王を取って貰いたいんです」

話の中心になっている金本選手は、流石に気恥ずかしい思いをした。
「ワシの事はいいから、それより試合に勝たんなアカン!」

金本選手の気合の入った言葉に、選手達の気持ちは引き締まった。
「アイツ・・・何考えとんじゃ・・・?」

横浜戦、6−3で勝った。
レッドの言葉に、ナインが刺激されたのか、金本選手にタイムリーを回そうと
皆が意識をし出していた。
当然、レッドも盗塁を決めていた。

「あっ!僕持ちますよ」
「はあ?」

レッドのいきなりの申し出に、金本選手は戸惑いを隠せない。
レッドは、彼のバットやタオルを持ちロッカールームに引き上げようとしていた。

「オイッ!待てやー」
「何ですか?」
「赤星、最近オカシイんちゃう?変な事しすぎやろ?
あっ!もしかしてお前俺に言えないような事を、やってしまったとか?
まさか、俺のボトルキープ飲んだんかー?」
「違いますよ」
「じゃあ、打点王をもし取れた時、奢ってもらおうとか?
魂胆はわかっとるんじゃい」
「嫌だなあ〜そんなせこい事思ってませんよ」
レッドは、涼しい顔をしてロッカール―ムに消えていった。

             


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